身内の方が亡くなられた場合、亡くなった方の遺産の分割方法についての話し合い(遺産分割協議)をする必要があります。
しかし、相続によってまとまった遺産を分けるとなると、仲のいい家族や親族であっても、残念ながら揉めてしまうことがあります。
また、家族間の関係が良好でない場合には、他の相続人に対する長年の不満など、感情的な問題も複雑に絡み合います。
そのため、遺産の分配をめぐって何年にもわたって争い続けることになってしまうケースも少なからず存在します。
幣事務所では、このような遺産分割協議に悩まされている相続人の方に寄り添い、相続人の方が適切な金額を取得できるよう、お手伝いいたします。
このページの目次
遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、亡くなった方(被相続人)の遺産について、相続人が、どのように分割するかを決めるための話し合いのことを言います。
例えば、相続人が1人だけの場合には、遺産をどのように分けるか考える必要はありません。また、相続人が2人以上の場合でも、遺言がある場合には原則として遺言の内容に従って分割すればよいため、改めて話し合いをする必要がないこともあります。
一方で、相続人が2人以上おり、遺言がない場合には、相続人同士の話し合いによって、どの財産を誰が取得するかを決める必要があります。この手続きのことを、遺産分割協議と言います。
遺産分割協議の進め方
遺産分割の事前準備として、まず、
- 遺言があるか
- 誰が相続人であるか
- 遺産は何があるかの
3つを調査する必要があります。
このとき、遺言が見つかった場合には、原則としてその遺言の内容に従って遺産を分割することになります。
遺言が見つからなかった場合、相続人同士で、誰がどの遺産を取得するのかを話し合います。
この際、一般的には、法定相続分に従って相続する額を決めることになりますが、相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なった分割をしたり、誰か一人にすべての遺産を相続させたりすることも可能です。
また、不動産や自動車など、そのままでは分割できない財産がある場合には、その財産を相続人の誰か一人が取得して、その代償金をほかの相続人に支払うのか、その財産を売却して現金に換えてから分割するのかなども決める必要があります。
話し合いの結果、相続人全員が納得できる分割内容が決まった場合には、その内容を書面にまとめ、遺産を分割します。
遺産分割協議の具体的な進め方について、詳しくはこちらをご覧ください。
遺産分割が揉めやすいケース
遺産分割が揉めやすいケースとしては、次のようなものがあります。
- 不平等な内容の遺言がある。
- 被相続人が再婚しており、相続人の中に異母兄弟、異父兄弟がいる。
- 遺産の中で不動産が大きな割合を占めている。
- 相続人の一部が、被相続人から生前に贈与を受けている。
- 相続人の一部が、被相続人に対して金銭等の援助をしており、取り分の増加を求めている。
- 相続人の一部が生前の被相続人と同居しており、預貯金の使い込みを疑われている。
このような場合には、紛争が長期化してしまうことも珍しくありません。
相続人間の話し合いで解決できない場合には、弁護士に依頼することを検討してもよいでしょう。
遺産分割協議を弁護士に依頼するメリット
遺産分割協議を弁護士に依頼するメリットとして、大きく次の4つが挙げられます。
- 解決への道筋を立てることができる
- 相手方との交渉を弁護士に一任することができる
- 遺産分割協議書の作成を任せることができる
- 裁判手続についてもを弁護士に一任することができる
①解決への道筋を立てることができる
弁護士に依頼することで、遺産分割を進めるためにどのような方法が考えられるか、自身の遺産の取り分についてどういった内容が主張できるかについて、事情に沿った、ご本人にとって最も良い解決方法の提案を受けることが出来ます。
遺産分割について他の相続人と揉めてしまっているような場合には、例えば次のようなことを検討し、解決への道筋を立てる必要があります。
- どのように手続きを進めて行けばよいか。
- 遺産に不動産や非上場株式などがある場合に、その評価額をいくらとするべきか。
- 遺産に不動産や自動車などがある場合に、どのように分割すべきか。
- 被相続人に対して生前に金銭の援助をしていた場合に、自分の相続分を増やしてもらえないか。
- 被相続人から生前に贈与を受けていた相続人がいる場合に、その相続人の相続分を減らしてもらえないか。
- 被相続人の口座から不自然な出金がされている場合に、他の相続人が使い込んだと主張できないか。
しかし、これらの検討には法律上の知識を必要としますし、検討するための資料の収集にもコツがあります。法律の専門家でない一般の方が、ご自身で必要な資料を収集し、その内容を検討し、適切な方針を立てることは非常に困難です。
弁護士に依頼することで、手続を進めるためにどのような方法が考えられるか、ご自身がどのような主張をできるかについて、必要な資料の収集・検討も含めて任せることができ、ご本人にとって最も良い解決方法の提案を受けることが出来ます。
②相手方との交渉を弁護士に一任することができる
弁護士に交渉を一任することで、遺産分割を円滑に進めることが期待でき、ご自身で交渉するストレスからも解放されます。
遺産分割についてご本人同士でお話をすると、どう分けるべきかお互いの言い分が食い違ったり、相手の要求を呑むと損してしまうのではないかと考え、話が前に進まないようなケースがあります。
このような場合には、遺産分割になれた弁護士を間に入れることで、法的な見解も踏まえて、お互いに納得できる解決方法が見つかることがあります。
長年の間、当事者同士では話がまとまらなかった場合でも、弁護士に任せることで、遺産分割が円滑に進むことが期待できます。
また、遺産分割のようなお金のトラブルについて、相手方と直接やりとりすることにはストレスを感じるものです。ご本人同士で交渉をすると、ついつい互いに感情的になってしまい、紛争が拡大化してしまうこともあります。
弁護士に依頼することで、相手方との交渉を弁護士に一任することができるため、このようなストレスから解放されることになります。
もし相手方から直接連絡があったとしても、「その件は弁護士に任せているから弁護士に連絡してください。」等とお伝えいただければ大丈夫です。
③遺産分割協議書の作成を任せることができる
遺産分割について合意が成立した場合、合意の内容を書面にまとめる必要があります。この書面のことを遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議書を作成すると、後になってその内容に反対することは困難ですから、トラブルが起こらないよう、慎重に内容を検討する必要があります。また、遺産分割協議書は、銀行や法務局などで遺産の名義変更の手続きを行う際にも必要となりますので、関係各所に提出できる体裁に整えなければなりません。
弁護士に依頼することで、遺産分割協議書の作成についても任せることができるため、安心して手続きを進めることができます。
④裁判手続についても弁護士に一任することができる
交渉による解決ができなかった場合、調停や審判などの裁判手続によって、遺産の分割を請求していく必要があります。
この場合も、弁護士に依頼することで、書面の作成や裁判所への出頭について、全て弁護士に任せることが出来ます。審問手続など一部の場合を除いて、基本的にご本人が裁判所に行く必要はなくなります。
また、裁判手続における主張書面の作成や必要な証拠の選別などには、専門的な知識・技術が必要とされることになります。そのため、裁判手続を有利に進めるためには、やはり専門家である弁護士に任せることをお勧めします。
遺産分割協議に悩まれたら弁護士にご相談ください
遺産分割協議がいったん紛争化してしまうと、当事者間の話し合いで解決するのは容易なことではありません。
また、自分に有利な遺産相続を実現するためには、豊富な法律知識や、主張・交渉するスキルが必要となります。
弊事務所では、遺産分割に関する初回相談は無料でお受けしております。お困りの方はお気軽にご相談ください。