本件は、約30年前に借り入れた借金について、債権回収会社から「訴訟等申立予告通知」が届いた方の事例です。訴訟を起こされる前に消滅時効を援用したことで、約170万円の請求が消滅し、ご依頼から約1か月で解決しました。
このページの目次
🔍 依頼者の状況
- 依頼者: 小林洋子さん(仮名)
- 当事者関係: 当初の貸主から債権を買い取った債権回収会社から請求を受けた
- 主な争点: 約30年前の借金について、債権回収会社から約170万円の支払を求められ、支払わなければ訴訟を起こすと予告された
大阪府にお住まいの小林洋子さん(仮名)のもとに、ある日、聞き覚えのない会社から「訴訟等申立予告通知」という書面が届きました。差出人は、大手消費者金融から債権を買い取ったという債権回収会社です。書面には、約1か月半後の期日までに全額を支払うか、誠意ある返済案を示さなければ、訴訟などの法的手続に着手することもあると書かれていました。
小林さんがその消費者金融からお金を借りたのは、約30年前のことでした。借りた元金は約30万円。ところが、通知書に記載された請求額は約170万円にまで膨らんでいました。当初の金利は年27%を超えており、長い年月の間に、元金の5倍を超える利息と遅延損害金が積み上がっていたのです。
「30年も前の借金で、今になって裁判になるのか」「とても払える金額ではない」——小林さんは不安を抱えて当事務所にご相談くださいました。
⚖ 当事務所の対応
① 通知書の精査と消滅時効の確認
ご相談を受けた弁護士は、まず届いた通知書の記載内容を精査しました。通知書には、当初の契約日、最後に貸付を受けた日、債権が譲渡された日などが記載されており、そこから返済が止まってからどれだけの期間が経過しているかを確認することができました。
貸金業者からの借入れの消滅時効(一定の期間が経過したときに、債務の支払義務を消滅させることができる制度)の期間は5年です。本件はこれを大きく超えており、その間に時効を更新(進行していた期間をリセットすること)させるような事情も見当たらないことから、時効を主張できると判断しました。
② 配達証明付きの内容証明郵便で時効を援用
時効は、期間が過ぎれば自動的に消えるものではなく、時効の援用(時効の利益を受けるという意思を相手方に伝えること)をして初めて効果が生じます。
そこで弁護士は、ご依頼を受けたわずか2日後に、債権回収会社へ時効援用の通知書を発送しました。後になって「そのような通知は受け取っていない」と言われることのないよう、いつ相手方に届いたかが記録として残る配達証明付きの内容証明郵便を用いています。
通知書には、次の3点を明記しました。
- 消滅時効を援用し、債務は消滅したので、今後請求しないこと
- 信用情報機関に登録された事故情報の抹消手続をとること
- 時効が更新されたと主張するのであれば、2週間以内にその根拠資料を送ること
とくに3点目が重要です。時効を主張された債権者が「途中で一部の入金があった」などと反論してくることがありますが、あらかじめ期限を切って根拠資料の提示を求めておくことで、後から曖昧な主張を持ち出されるのを防ぐことができます。
③ 相手方が時効の成立を認め、請求が終了
通知書は、発送の2日後に相手方へ到達しました。その後、期限までに時効の更新を示す資料は提出されず、債権回収会社からは時効が成立していることを認める回答が得られました。
これにより、予告されていた訴訟を起こされることもなく、事件は終了しました。
💡 解決結果
約170万円の請求について、支払義務を負うことなく解決しました。ご依頼から解決まで約1か月。小林さんは、裁判所に出向くことも、1円も支払うこともなく、長年気がかりだった古い借金から解放されました。
なお、時効援用の通知書の控えと配達証明書は、将来万一相手方が改めて請求してきた場合に「時効を援用した」ことを示す資料になります。ご依頼者には、これらをお手元で大切に保管していただくようご案内しています。
💬 弁護士からのアドバイス
「訴訟等申立予告通知」「督促状」「債権譲渡通知書」——こうした書面が、何十年も前の借金について突然届くことがあります。債権は他社へ売買されるため、まったく心当たりのない会社の名前で請求が来ることも珍しくありません。
ここで最も気をつけていただきたいのは、慌てて相手方に連絡し、支払いの相談をしてしまうことです。予告通知には「誠意ある返済案を示してほしい」といった記載があることが多いのですが、これに応じて「毎月少しずつなら払えます」と伝えたり、一部でも入金してしまうと、債務の承認(借金があることを認める行為)にあたり、本来使えたはずの時効を主張できなくなるおそれがあります。
もう一つは、書面を放置しないことです。予告どおりに訴訟を起こされ、そのまま欠席してしまうと、相手方の主張どおりの判決が出てしまいます。判決が確定すると、時効を主張する機会を失うだけでなく、時効期間が10年に延び、給与や預金を差し押さえられるおそれも生じます。
本件のように、訴訟を起こされる前の段階で時効を援用できれば、裁判所に出向くことなく、短期間で解決できる場合があります。古い借金についての書面が届いたら、お支払いになる前に、そして相手方にご連絡になる前に、まず弁護士にご相談ください。
📞 このような方はぜひご相談ください
- 「訴訟等申立予告通知」や督促状が届いて、どう対応すればよいか分からない方
- 長年支払っていない借金について、聞き覚えのない会社から請求を受けた方
- 借りた元金よりはるかに大きな金額を請求されている方
- 相手方に連絡すべきか、分割払いを申し出るべきか迷っている方
当事務所では、債務整理に関する初回のご相談は無料となっております。
借金・債務整理でお悩みの方は、今すぐご相談ください。
