【解決事例】財産分与・養育費・面会交流について有利な条件を整え、協議離婚を成立させた事例

本件は、遠方に転居した夫との協議離婚を希望される妻からのご依頼でした。代理人として書面交渉を進め、財産分与約500万円・養育費月額約7万円・面会交流における母親の付添交通宿泊費の相手方負担および実施場所の調整を実現する内容で、受任から約7か月で離婚を成立させた事例です。


🔍 依頼者の状況

  • 依頼者: 鈴木美咲さん(仮名・30代女性)
  • 当事者関係: 夫との婚姻期間約9年・未成年の長女1人
  • 主な争点: 財産分与の金額/養育費・婚姻費用/面会交流の条件(実施場所・付添費用の負担者)

鈴木美咲さん(仮名)は、結婚当初から夫が家事や育児にほとんど関与せず、夫婦間のコミュニケーションも乏しい状態が長年続いていました。さらに夫が転勤により遠方に単身赴任となったことで生活の実態が完全に分かれ、ご相談に来られた時点では事実上の別居状態となっていました。

夫からの不貞や暴力(DV)といった「典型的な離婚原因」は存在しないものの、長年積み重なった夫婦間のすれ違いから、ご相談時には離婚そのものは双方ともに前提としつつ、財産分与・養育費・面会交流の条件をどう整えるかが現実的な課題となっていました。長女の親権者を母(依頼者)とすることについては、相手方も特段争う姿勢を見せておらず、当初から大きな争点ではありませんでした。

依頼者と相手方の居住地が遠く離れているため、面会交流について実施場所や母親の付添にかかる費用負担を依頼者側に過度な不利にならない形で整理すること、そして今後の生活の基盤として相応の財産分与を確保することが、ご依頼の最大のポイントでした。


⚖ 当事務所の対応

① まず交渉、揉めれば調停 — 二段階方針を依頼者と共有

当事務所では、ご相談段階で「まずは代理人による交渉での離婚成立を試み、条件面で大きく折り合わない場合には改めて家庭裁判所の離婚調停に進む」という二段階の方針を依頼者にご提案し、ご了承いただきました。いきなり調停を申し立てると半年から1年単位で時間がかかることが多いため、まずは交渉で着地点が見えるかを試すのが依頼者の利益にかなうとの判断です。

受任後速やかに相手方へ受任通知を発送したところ、相手方も代理人弁護士を選任しました。これにより、当事者本人同士の感情的なやり取りに陥ることなく、代理人同士の交渉により冷静に各条件を詰めていく土台が整い、結果として調停に進むことなく交渉のみで合意に至ることができました。

② 婚姻費用・養育費・財産分与の3点について、客観的資料に基づく金額主張

別居期間中の生活費(婚姻費用)と、離婚後の養育費については、双方の収入資料をもとに家庭裁判所の算定表に沿って算出し、婚姻費用は月額約12万円・養育費は月額約7万円を相手方に提示しました。あわせて長女の習い事費用(絵画教室・ダンス教室)を養育費とは別枠で月額5,500円とする内容も合意に組み込み、相手方からこれらを了承させました。

財産分与(婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産を、離婚に際して清算する制度)については、双方の預貯金・保険・確定拠出年金・有価証券等の資料を網羅的に開示・整理し、婚姻時から別居時までの財産形成過程を分析した上で、当方から約550万円を主張しました。相手方は減額を強く求めましたが、各種財産の評価額や、夫婦それぞれの寄与の度合いを資料に基づいて粘り強く説明し、最終的な合意金額を引き上げる交渉を進めました。

③ 面会交流:母親の付添費用の相手方負担と、実施場所の半数を地元に振り分ける調整

面会交流に伴う子の交通費は、家庭裁判所の運用上、面会交流を実施する側(本件では相手方)が負担するのが原則です。本件ではこれを前提とした上で、さらに踏み込み、長女に付き添う母親(依頼者)自身の交通費および宿泊費(1泊1万円までを上限、新幹線料金を上限とする交通費)を相手方が負担することを協議書に明記するよう求め、合意に取り付けました。長女が小学校に通っている間は母親の付添が現実的に必要な状況であり、この付添費用を依頼者が自前で負担する建付けでは、面会交流のたびに依頼者側の家計に大きな影響が及ぶためです。

あわせて、面会交流の実施場所についても調整しました。年4回(ゴールデンウィーク・盆休み・冬休み・春休み)の宿泊付き面会交流のうち、盆休みと春休みの2回は依頼者の地元で実施し、残り2回のみ相手方の居住地で実施することを協議書に明文化しています。これにより、年間を通じて長女と母親が遠方まで赴く回数を半分に抑え、移動に伴う心身の負担を最小化する設計としました。

あわせて、親権者は妻(依頼者)と書面化(前述のとおり大きな争いはなく、当方の希望どおり確定)、年金分割の按分割合は0.5(夫婦それぞれ均等)として明記しています。


💡 解決結果

受任から約7か月で協議離婚を成立させ、財産分与約500万円・養育費月額約7万円+習い事費用月額5,500円・年金分割0.5を盛り込んだ離婚協議書を取り交わしました。長女の親権についても、当方の希望どおり妻(依頼者)と書面化しています。さらに面会交流に関しては、母親が付き添うための交通費・宿泊費を相手方負担とし、年4回のうち2回は依頼者の地元で実施することを協議書に明記したことで、将来にわたる費用面・移動面の負担を最小化しました。

当初お示しした「まずは交渉、折り合わなければ調停」の二段階方針のうち、交渉段階で双方が納得できる条件にたどり着いたため、家庭裁判所の離婚調停・離婚訴訟という長期化しがちな手続を回避できた点も本件の大きな成果です。


💬 弁護士からのアドバイス

「離婚協議では、養育費・財産分与・面会交流という個別条件を、いかに依頼者の長期的な生活実態に即して設計するかが勝負どころになります。本件のように親権について大きな争いがないケースであっても、それ以外の条件設計次第で離婚後の生活の安定度は大きく変わります。

進め方としては、まずは代理人による交渉で協議離婚の成立を試み、条件面で折り合わない場合には調停に移行するという二段階方針が依頼者の負担を抑えやすい王道です。本件は相手方も早期に弁護士を選任されたため、感情的な対立に陥らず代理人同士の書面交渉のみで合意に至ることができました。

特に遠隔地間での面会交流が前提となるケースでは、子の交通費を相手方が負担するのは原則として当然のことですが、それだけでは依頼者の負担はゼロにはなりません。小学校段階のお子さんであれば親の付添が現実的に必要となるため、付添親の交通費・宿泊費を誰が負担するのか、また面会交流の実施場所をどう振り分けるのかまで踏み込んで合意書に明文化しておかないと、毎回の面会交流の度に依頼者の家計や時間が削られていく結果になります

代理人弁護士を立てることで、相手方と直接やり取りする精神的負担から解放され、感情ではなく根拠と条件で交渉を組み立てることが可能になります。離婚をお考えの段階で一度ご相談いただければ、ご状況に応じた最適な進め方をご提案できます。」


📞 このような方はぜひご相談ください

  • 配偶者と直接やり取りすることに強い精神的負担を感じており、代理人を立てて交渉したい方
  • 養育費・財産分与・面会交流の条件を整理した上で、まずは交渉で協議離婚の成立を試みたい方
  • 別居後に配偶者と遠く離れて暮らしており、面会交流の実施場所や付添費用の負担に不安を抱えている方
  • 婚姻期間中に形成された財産の整理(財産分与)について、客観的な根拠に基づいて主張したい方

大東法律事務所では、離婚・男女問題に関するご相談を多数お受けしております。離婚をお考えの方、配偶者との関係でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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