本件は、約28年前の消費者金融からの借金が遅延損害金の加算により約350万円にまで膨らんでいたケースです。弁護士が3社の債権者に対して消滅時効の援用を行った結果、2社の債務は消滅しましたが、1社については訪問時の債務承認により時効が更新されていたため、最終的に自己破産の申立てを行い、全額の免責を受けることができました。
このページの目次
🔍 依頼者の状況
- 依頼者: 小林義男さん(仮名)
- 年代: 60代
- 当事者関係: 依頼者と3社の債権回収業者
- 主な争点: 約28年間返済していなかった借金について消滅時効が成立するか、債務承認により時効が更新されていないか
大阪府にお住まいの小林義男さん(仮名)は、30代の頃に生活費のために複数の消費者金融から借入れを行いました。その後、勤務先の事業縮小などで収入が大幅に減り、返済が困難になったまま約28年が経過していました。
ある日突然、債権を譲り受けた会社の担当者が自宅を訪問し、借金の返済を求めてきました。年金生活の中で月々の返済は現実的ではなく、不安を抱えたまま約2週間後に当事務所にご相談にお越しになりました。
⚖ 当事務所の対応
① 債務状況の調査と時効援用の検討
ご相談を受けた弁護士がまず行ったのは、すべての債務について消滅時効(一定期間の経過により借金の返済義務がなくなる制度)が成立しているかどうかの確認です。
調査の結果、小林さんの借入れは約28年前のものであり、最後の取引からすでに5年以上が経過していたため、原則として消滅時効の援用が可能であると判断しました。ただし、1社については訪問された際のやりとりによっては債務承認に当たり、時効が使えなくなっている可能性があるという懸念もありました。
② 3社に対する時効援用通知の発送
弁護士は、債権を主張していた3社すべてに対して、内容証明郵便で時効援用通知(消滅時効の利益を受ける意思を相手方に正式に伝える書面)を発送しました。
その結果、2社については時効援用が認められ、債務が消滅しました。
③ 1社の時効更新と自己破産による最終解決
しかし、残る1社からは「訪問時に本人が返済を約束しており、これは債務承認(借金の存在を認める行為)に当たるため、消滅時効は更新されている」との回答がありました。
債務承認とは、たとえ時効期間が経過していたとしても、債務者が借金の存在を認めたり返済を約束したりすることで、時効の効力を失わせてしまう行為です。小林さんが訪問を受けた際にその場で返済を約束してしまったことが、まさにこれに該当しました。
この1社に対する債務は、遅延損害金を含めて約350万円にまで膨らんでおり、年金収入のみの小林さんにとって返済は到底不可能な金額でした。そこで弁護士は、自己破産(裁判所を通じて借金の支払義務を法的に免除してもらう手続)の申立てを行いました。
裁判所での審査の結果、同時廃止(破産者に処分すべき財産がない場合に、破産手続開始と同時に手続を終了させる簡易な方式)により手続が進み、最終的に免責許可決定(裁判所が借金の支払義務を法的に免除する決定)が出されました。
💡 解決結果
3社のうち2社については消滅時効の援用により債務が消滅し、残る1社の約350万円の債務についても自己破産の免責許可決定を受けることができました。この結果、小林さんのすべての借金が法的に解消され、安心して年金生活を送ることができるようになりました。
💬 弁護士からのアドバイス
長年放置していた借金について、突然債権回収会社から連絡が来るケースは少なくありません。このような場合、消滅時効が成立している可能性が高いため、慌てて返済の約束をしたり、一部でも支払ったりしないことが非常に重要です。
本件のように、一度でも「返します」と約束してしまうと債務承認と判断され、せっかく成立していた時効が使えなくなってしまうことがあります。債権回収会社からの連絡や訪問があった場合は、何も約束せず、まず弁護士にご相談ください。
また、仮に時効援用ができなかった債務があっても、本件のように自己破産など別の法的手段で解決できる場合があります。一つの方法がうまくいかなかったからといって諦める必要はありません。債務問題は、複数の解決手段を組み合わせることで道が開けることがあります。
📞 このような方はぜひご相談ください
- 何年も前の借金について、突然債権回収会社から連絡や訪問を受けて困っている方
- 身に覚えのない会社から借金の請求書が届いた方
- 時効になっているかもしれない借金があるが、どうすればよいか分からない方
- 債権回収会社の訪問を受けて、つい返済を約束してしまった方
当事務所では、債務整理に関する初回のご相談は無料となっております。
借金・債務整理でお悩みの方は、今すぐご相談ください。
