【解決事例】相続人7名・遺産約7,000万円の遺産分割|面識の少ない相続人とも調停によらず約5か月で協議を成立させた事例

本件は、独身の叔父様が亡くなり、妹・甥・姪あわせて7名が相続人となった遺産分割の事例です。戸籍による相続人調査から財産調査、書面での丁寧な意向確認を積み重ねたことで、調停によらず受任から約5か月で全員の合意が成立し、預金の分配から不動産の相続登記まで完了しました。


🔍 依頼者の状況

  • 依頼者: 藤本健二さん(仮名・被相続人の甥)
  • 相続関係 / 当事者関係: 被相続人は藤本さんの叔父。配偶者もお子様もおらず、ご両親も既に他界していたため、妹1名と甥・姪6名の計7名が相続人となった
  • 主な争点: 相続人の確定(代襲相続の調査)、一部相続人の所在調査、多数当事者間での分割方法の調整

大阪府にお住まいの藤本健二さん(仮名)は、独身だった叔父様が亡くなったことを機に、その相続手続に直面しました。叔父様には配偶者もお子様もいないため、相続人となるのは兄弟姉妹――しかし、そのほとんどが既に亡くなっており、代襲相続(本来相続人となるはずだった方が先に亡くなっている場合に、その子が代わって相続人となる制度)によって、妹1名と甥・姪6名、あわせて7名が相続人となる見込みでした。

相続人の中には藤本さんがほとんど面識のない方や、住所すら分からない方も含まれていました。遺産も、複数の金融機関の預金口座と不動産があり、遺言があるのかどうかも不明。「自分一人では、誰に何をどう連絡すればよいのかすら分からない」という状態で、当事務所にご相談くださいました。


⚖ 当事務所の対応

① 戸籍をさかのぼる相続人調査と、財産・遺言の徹底調査

まず、被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、ご両親や既に亡くなられた兄弟姉妹の戸籍まで幅広く取り寄せ、代襲相続人を含めた相続人全員を確定しました。所在の分からない相続人についても、戸籍の附票(住所の履歴が記録された書類)から現住所を調査。あわせて法定相続情報一覧図(法務局が発行する、相続関係を公的に証明する書類)を取得し、その後の金融機関の手続をスムーズに進められるよう備えました。

財産面では、6つの金融機関の預金残高を調査し、不動産は登記簿の取得と価格査定を実施。建物の一部が未登記であることも判明しましたが、法務局への照会により被相続人の所有であることを確認しました。また、公正証書遺言の有無を公証役場で検索し、遺言が存在しないことを確認したうえで、法定相続分(法律が定める各相続人の取り分)に基づく分割方針を固めました。

② 書面による丁寧な意向照会で、7名全員の意見を集約

相続人が7名と多く、互いに面識の薄い方も含まれるため、いきなり分割案を押し付けるのではなく、まず調査結果の全て(相続関係・遺産の内容・査定額・遺言調査の結果)を開示したうえで、質問書形式で各相続人の意向を伺うという進め方をとりました。

質問書では、預金の分割方法、不動産を金銭で取得したいか現物で取得したいかなど、判断していただきたい点を項目ごとに整理し、回答しやすい形にしました。透明性の高い進め方が信頼につながり、全員から順次回答が届き、大きな対立が生じることなく協議を進めることができました。

③ 代償金方式と換価分割を組み合わせた協議書の設計

各相続人の意向を踏まえ、預金・現金は藤本さんがいったん取得して他の相続人に代償金(遺産を取得した相続人が、他の相続人に取り分との差額を金銭で支払うもの)を分配する方式に、不動産は売却を前提に換価分割(不動産を売却し、その代金を相続人間で分配する方法)とする内容で遺産分割協議書を作成しました。売却手続の便宜のため不動産はいったん相続人の一人の単独名義とし、売却代金の分配割合・税負担の扱いまで協議書に明記して、後日の紛争の芽を摘みました。

協議成立後は、当事務所で各預金の解約・払戻を行い、各相続人への分配まで代行。その途中で相続人のお一人が亡くなるという予期せぬ事態も生じましたが、その方の相続人の調査にも追加で対応し、最終的に全員への分配と不動産の相続登記まで完了させました。


💡 解決結果

受任から約5か月で、相続人7名全員が署名・押印した遺産分割協議書が成立しました。家庭裁判所の調停・審判を利用することなく、書面のやり取りを中心とした交渉のみでの解決です。総額約7,000万円の遺産について、預金の解約・各相続人への分配、不動産の相続登記までの一連の手続をすべて完了し、事件は終了しました。


💬 弁護士からのアドバイス

お子様のいない方が亡くなると、相続人は兄弟姉妹やその子(甥・姪)となり、本件のように相続人が多数にのぼり、互いに面識がないというケースが少なくありません。このような相続では、「誰が相続人なのかを確定する戸籍調査」だけでも膨大な作業となるうえ、連絡の取り方ひとつで相続人間の警戒心を招き、協議がこじれてしまうことがあります。

本件がスムーズに解決できた最大の要因は、調査結果を全相続人に包み隠さず開示し、意向を伺うところから始めたことにあると考えています。遺産の全容が見えないまま分割案だけを示されれば、誰しも「何か隠されているのでは」と不安になるものです。逆に、資料を添えて透明性を確保すれば、面識のない相続人同士でも冷静な判断がしやすくなります。

また、不動産を売却する場合の分配割合や税負担の扱いまで協議書に盛り込んでおくことで、「協議書を作った後」に生じがちなトラブルも防ぐことができます。多数の相続人が関わる遺産分割は、初動の設計が結果を大きく左右します。早い段階で専門家にご相談いただくことをおすすめします。


📞 このような方はぜひご相談ください

  • 独身の兄弟姉妹や叔父・叔母が亡くなり、面識のない相続人と遺産分割をしなければならない方
  • 相続人の人数や所在が分からず、戸籍の調査から手を付けられずにいる方
  • 預金や不動産が複数あり、分割方法や売却・登記まで含めて任せたい方

当事務所では、相続に関する初回のご相談は無料となっております。
相続でお悩みの方は、今すぐご相談ください。

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