本件は、母親が亡くなってから約4年が経過した後に、母親が親族の住宅ローンの連帯保証人になっていたことが判明した方から、相続放棄のご依頼を受けた事例です。裁判所に事情を丁寧に説明した結果、申述からわずか5日で相続放棄が受理されました。
🔍 依頼者の状況
- 依頼者: 松田典子さん(仮名)
- 相続関係: 亡くなった母親の子(相続人)
- 主な争点: 死亡から約4年が経過した後の相続放棄が認められるか(熟慮期間の起算点)
大阪府にお住まいの松田典子さん(仮名)は、結婚を機に実家を出て以来、母親とは別々に暮らしていました。母親との交流はありましたが、お金の話を聞かされたことはなく、約4年前に母親が亡くなった際も、遺品の整理は母親と同居していた親族が行ったため、松田さんが母親の契約書類などを目にする機会はありませんでした。
ところが母親の死から約4年後、松田さんのもとに一通の通知が届きます。そこで初めて、母親が親族の住宅ローンの連帯保証人になっており、その保証債務(保証人として負う返済義務)を松田さんが相続する立場にあることを知ったのです。
相続放棄には「自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」という熟慮期間があります。母親の死からすでに約4年。「もう手遅れではないか」と不安を抱えた松田さんは、当事務所にご相談くださいました。
⚖ 当事務所の対応
① 事情を丁寧に聞き取り、熟慮期間の起算点を整理
熟慮期間の起算点は、必ずしも「亡くなった日」ではありません。相続人が被相続人の負債の存在を知らず、知らなかったことに相当な理由がある場合には、負債の存在を知った日を起算点とできる場合があります。
当事務所では、松田さんが保証債務の存在を知り得なかった事情——母親と長年別居していたこと、遺品整理に関与していないこと、債権者からの通知も届いていなかったこと——を丁寧に聞き取り、整理しました。
② 戸籍等の必要書類を収集し、申述書を作成
相続放棄の申述に必要な戸籍謄本等の収集を当事務所で代行し、家庭裁判所に提出する相続放棄申述書を作成しました。
③ 上申書で「知った日」の事情を具体的に説明
申述書とあわせて上申書(事情を裁判所に説明するための書面)を提出し、松田さんが保証債務の存在を知ったのは通知が届いた日であること、それまで知らなかったことに相当な理由があることを、時系列に沿って具体的に説明しました。
💡 解決結果
家庭裁判所は当方の説明を受け入れ、申述からわずか5日で相続放棄を受理しました。これにより松田さんは、母親の保証債務を相続することなく、債権者から返済を求められた場合にも受理通知書を示して支払いを断ることができる立場になりました。
💬 弁護士からのアドバイス
相続放棄の熟慮期間は原則3か月ですが、死亡から3か月を過ぎていても、相続放棄が認められる場合があります。特に、亡くなった方が誰かの連帯保証人になっていたケースでは、本人が家族に保証の事実を伝えていないことが多く、何年も経ってから督促や通知で初めて発覚することは決して珍しくありません。
大切なのは、負債の存在を知ったらできる限り早く行動することです。「知った日」から3か月という時間制限は動き始めており、また、知った後の対応次第では放棄が認められにくくなることもあります。突然の通知に驚いてご自身で債権者に返済の約束などをしてしまう前に、まず弁護士にご相談ください。
📞 このような方はぜひご相談ください
- 親や兄弟が亡くなってから数年後に、借金や保証債務の通知が届いた方
- 亡くなってから3か月以上経っているが、相続放棄をしたい方
- 家族が誰かの連帯保証人になっていたかもしれず、不安をお持ちの方
大東法律事務所では、相続に関する初回のご相談は無料となっております。
期限が過ぎたかもしれない相続放棄でお悩みの方は、あきらめる前に今すぐご相談ください。
